■宇治田楽まつり やまとうた集■

宇治田楽まつりでは演目の中の『言祝(ことほがい)』で詠み上げる短歌をやまとうたと称し、2007年より募集しご応募の中より毎年三首を選ばせていただいています。
題材は宇治の自然を讃えたものや、田楽のおもしろさを表現する「宇治田楽まつり」にちなんだものです。
これまでの採用作品をご紹介します。

〔2018年〕第12回公募
今木人 田楽踊り 楽しむも 古人見るや 宇治を嗣ぐ子等
一心に 踊り奏でる 田楽に 荒ぶる神の 御魂静まる
風の中 田の香りする この場所で 豊作祈る 田楽法師

〔2017年〕第11回公募
茶摘み娘の かごの紅緒が 笛にゆれ 躍る姿に 古代しのぶ
茶の香る 宇治の通りを 鉦太鼓 田楽囃子 快よきかな
龍人の 舞い躍れれば 雨誘う 田や畑も 喜び跳ねる

〔2016年〕第10回公募
かがり火に 浮かんで消える 舞ひびき 千年を超えて 心触れ合う
いざすすめ 笛や太鼓に 誘われて 平安願う さわらぎの道
ほうほうと 響く鵜匠の 誘い声 宇治の川面に かがり火熱く

〔2015年〕第9回公募
あきあかね 垂れる稲穂の 青空に 音色と共に 舞う宴かな
宇治の里 音色ゆかしき 笛太鼓 いにしえしのぶ 田楽の舞
ちはやぶる 宇治の大地に こだまして 田楽囃子 天高く舞う

〔2014年〕第8回公募
子うさぎの 飛び跳ね誘う 道ゆきて 我も舞うなり 田楽まつり
夕闇を 焦がす篝火 田楽の 調べとともに 天に届かん
今年こそ 田楽囃子に まぎれ込み 光源氏も 踊りたかろう

〔2013年〕第7回公募
宇治の秋 田楽囃子に 誘われて さんやれの輪に入りて楽しや
月出でて 宇治田楽の 笛太鼓響き渡れば いざ舞え踊れ
目を見張る 宇治田楽に いにしえの 風吹きわたり 時を忘るる

〔2012年〕第6回公募
華やかな 宇治田楽の 舞い踊り 老いも若きも 心ときめく
弾み舞う 宇治田楽の 足先は 絆深めて 明日へと向う
足袋を履き 笠を被れば 背筋伸ぶ 法師となりて 今宵田楽

〔2011年〕第5回公募
笛太鼓 田楽の舞に 祈り込め 今宵の思い 東へ届けと
吹き渡る 歓喜の木霊(こだま) 喜撰山 川面に映る 宇治の田楽
秋の夜に 田楽ばやし 心地よく 熱き心に 昔を偲ぶ

〔2010年〕第4回公募
古(いにしえ)の 宇治田楽に 身は踊り 心は弾み 人々集う
時空越え 宇治田楽の 躍動に いにしえびとの 袖の香も舞う
舞い踊る 田楽みたま 我にあり 幸おおかれと 故郷に込め

〔2009年〕第3回公募
躍る民 色はなやかに かざりいて 天にとどけと 音のするなり
宇治の空 里にとよもす 鼓の調べ 田楽の舞 千年経てなほ
いにしえに 田の神鑑み 今にあり まつりに添えて 永久に栄える

〔2008年〕第2回公募
宇治川に 映えるかがり火 舞姿 我もいつしか 田楽のなか
千年の 永きにわたり 伝え来る 式部の里の 田楽まつり
かがり火に 華やぎ浮かぶ 塔の島 今宵みやびな 出楽の舞

〔2007年〕第1回公募
昔(いにし)えの 舞の心を 忍びつゞ 今宵一刻(ひととき) 夢のまつりへ
宇治川の 泡より生(あ)れし 龍神よ 祝(ほ)ぎたてまつれ 天地の恵み
笛太鼓 奏でて躍る 田楽と 宇治の流れは とこしえにあれ